暑い日や忙しい日に、冷蔵庫に冷たいお茶があるだけで気持ちが少しラクになります。水でじっくり抽出する水出しは、渋みが出にくく、口当たりがやさしく仕上がるのが魅力です。緑茶だけでなく、紅茶やウーロン茶、香りのあるお茶など、意外と幅広く楽しめます。ここでは、水出しできるお茶の種類、作り方の基本、失敗しにくい調整のコツをまとめます。
水出しできるお茶とは
水出しは、茶葉を水に浸して時間をかけて抽出する淹れ方です。お湯を使う方法と比べて、お茶の苦味成分であるカフェインや渋み成分のタンニンが溶け出しにくく、旨み成分のテアニンが多く抽出される傾向があります。そのため、味が角立ちにくく、すっきりとした飲み口のまろやかな味わいに仕上がります。冷蔵庫に入れておけば勝手に仕上がるので、手軽に楽しめます。
水出しに向いているお茶の種類

緑茶(煎茶・深蒸し系・茎茶など)
冷たい水でも味が出やすく、旨み寄りの風味になりやすいです。渋みが苦手な人にも試しやすいタイプです。
ほうじ茶・玄米茶
香ばしさが立ちやすく、すっきりした後味になりやすいです。食事中にも合わせやすく、ゴクゴク飲みたいときにも便利です。
紅茶
水出しにすると渋みが出にくく、まろやかな飲み口になりやすいです。レモンや果物の香りがついたタイプも相性がよく、軽いデザート感覚で楽しめます。
ウーロン茶
水出しでも作れますが、種類によって香りやコクの出方に差が出ます。まずは作りやすいものから試して、好みに合う濃さや時間を見つけるのが安心です。
香りのあるお茶(ジャスミンなど)
熱で香りが飛びやすいタイプは、水出しでふんわり香りが残りやすいことがあります。後味が軽く感じられやすいのも特徴です。
水出しできないお茶はある?
多くのお茶は水出しで楽しめますが、お湯出しのような加熱操作を伴わないため、水や茶葉の殺菌ができず安全性に不安が持たれることがあります。(出典: 水出しで作る冷茶の保存性 (茶業研究報告 第122号), URL: https://www.jstage.jst.go.jp/article/cha/2016/122/2016_21/_pdf, 2016)
特に、長く保管されていた茶葉や、品質表示に「水出し用」と明記されていない一般茶葉を使用する場合は、水出し後に常温で長時間放置すると一般生菌が増殖するリスクがあります。
そのため、以下の点に注意しましょう。
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使用する茶葉や容器は清潔なものを選び、必ず冷蔵庫で抽出・保存する。
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抽出後も冷蔵保存し、その日のうち、遅くとも24時間以内を目安に飲み切る。
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心配な場合は、一度軽くお湯で茶葉を蒸らしてから水出しにする、または水出し用に加工された茶葉を選ぶのが安心です。
迷うときは、普段から飲み慣れている茶葉で少量から試して、味や状態に違和感がないか確認するのも良いでしょう。
水出しの作り方
基本の作り方
材料(1リットル分)
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茶葉:10g(大さじ約2杯 ※茶葉の形状による)
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水:1リットル
作り方
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清潔な容器に茶葉を入れる
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水を注ぎ、ふたをして軽く混ぜる
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冷蔵庫に入れて抽出する
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好みの濃さになったら茶葉を取り除く
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飲む前に軽く混ぜてから注ぐ
【抽出時間の目安】
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緑茶・日本茶系(煎茶、深蒸し茶、茎茶など): 2~4時間
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ほうじ茶・玄米茶: 3~6時間
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紅茶: 6時間~一晩(8時間程度)
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ウーロン茶・香り系(ジャスミン茶など): 4~8時間
※お茶の種類や好みの濃さによって調整してください。
量を増やすときは、1リットルあたりの茶葉の目安を基準にすれば、2リットルでも作りやすくなります。
抽出時間の目安と調整のしかた
緑茶・日本茶系
目安は短めで、様子を見ながら進めると失敗しにくいです。薄いと感じたら時間を少し延ばし、渋みが出たら早めに茶葉を外すと整いやすいです。
ほうじ茶・玄米茶
少し長めに置いても尖りにくい傾向があります。香ばしさをしっかり出したいときは、時間を長めにしてみるのも手です。
紅茶
水出しは時間をかけてゆっくり作ると味がまとまりやすいです。急いで濃くしたい場合は、茶葉の量を少し増やす方が調整しやすいです。
ウーロン茶・香り系
味や香りの出方に個性があるため、最初は中くらいの時間で試し、次回に好みに寄せていくのがおすすめです。
おいしく作るコツ
茶葉は入れっぱなしにしない
濃くなりすぎたり、風味が変わりやすくなったりします。好みの濃さになったら取り除くと、味が安定しやすいです。
直接飲みを避ける
容器に口をつけると、味や状態が変わりやすくなります。コップに注ぐと、作り置きでも管理しやすいです。
容器は洗いやすいものを選ぶ
水出しは冷蔵庫に長く置くことが多いので、毎回きれいに洗える容器が向きます。口が広いタイプは扱いやすいです。
アレンジレシピ:香りを楽しむフルーツ水出し茶
水出しのやさしい味は、果物の香りとも合わせやすいです。いつもの作り方に少し足すだけで、気分転換になります。
材料(1リットル分)
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好みの茶葉:10g(大さじ約2杯 ※茶葉の形状による)
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水:1リットル
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柑橘の輪切り:2〜4枚(レモンやオレンジなど) ※国産の無農薬のものを選ぶか、よく洗ってから使用してください。皮ごと漬け込むと苦味が出やすくなる場合もあるため、気になる場合は皮をむいて使用するのもおすすめです。
作り方
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容器に茶葉を入れる
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水を注ぐ
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下処理をした柑橘を入れて冷蔵庫で抽出する
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好みの濃さになったら茶葉を取り除く
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香りが十分なら果物も取り出して完成
香りが強くなりすぎると感じたら、果物だけ先に取り出すと調整しやすいです。
まとめ

水出しできるお茶は、緑茶だけでなく、ほうじ茶や紅茶、ウーロン茶、香りのあるお茶まで幅広く楽しめます。基本は、茶葉と水を容器に入れて冷蔵庫で待つだけ。好みの濃さになったら茶葉を外すと、渋みが出にくく、味が安定しやすくなります。毎日の飲み物として続けたいときこそ、水出しで気軽に作り置きするのが便利です。今日の分からでも、家にある茶葉で試してみてください。
Q1. 水出しできるお茶は、パッケージに表示がないと作れませんか?
表示がなくても作れることが多いです。水出しは特別な茶葉だけの方法ではなく、普段飲んでいる茶葉でも試せます。ただし、味の出方はお茶の種類で変わるので、最初は少量で作って時間や茶葉量を調整すると安心です。
Q2. 水出しの時間はどれくらいが目安ですか?
お茶の種類で幅があります。緑茶は比較的短めでも味が出やすく、紅茶はゆっくり時間をかけた方がまとまりやすいです。迷ったら、まずは中間くらいの時間で作り、次回に好みに寄せるやり方が失敗しにくいです。
Q3. 味が薄いときはどうしたらいいですか?
抽出時間を少し延ばすか、次回は茶葉を少し増やすと変化が出ます。例えば、煎茶の場合は、茶葉3gに水100ml程度の割合(1Lに対して30g)に増やすと、より美味しく仕上がるという報告もあります。一気に増やしすぎると濃くなりすぎることがあるので、まずは少量ずつ動かすと好みを見つけやすいです。容器を軽く揺らして、成分を均一にしてから飲むのもおすすめです。
(出典: 果樹茶業研究部門: 「水出し緑茶」の上手な淹れ方, URL: https://www.naro.go.jp/laboratory/nifts/t_contents/mizudashi_ryokucha/irekata.html, 不明(政府研究機関))
Q4. 苦くなったり渋くなったりする原因は何ですか?
茶葉が多すぎる、時間が長すぎる、茶葉を入れっぱなしにしている、のどれかが原因になりやすいです。水出しでも条件が強いと味が尖ることがあります。まずは茶葉を外すタイミングを早め、次回は茶葉量や時間を少し控えめにすると整いやすいです。
Q5. 作った水出し茶はどれくらい保存できますか?
水出し茶は非加熱抽出のため、衛生上の観点から、冷蔵庫で保管し、その日のうち、遅くとも24時間以内を目安に飲み切るようにしてください。味が落ちにくくするには、好みの濃さになったら茶葉を取り除き、清潔な容器で保管するのがポイントです。においの変化や違和感がある場合は無理に飲まず、作り直す方が安心です。
(出典: 水出しで作る冷茶の保存性 (茶業研究報告 第122号), URL: https://www.jstage.jst.go.jp/article/cha/2016/122/2016_21/_pdf, 2016)

