猫のおやつ

猫は家族の一員として、私たちの心に特別な存在感を持ちます。その可愛らしい姿と愛らしい仕草に、ついついおやつを与えたくなるものです。しかし、猫の健康を考慮せずにおやつを選んでしまうと、思わぬ健康トラブルを招くことも。この記事では、猫のおやつ選びにおける健康面の配慮と楽しさをどう両立させるかについて詳しくご紹介します。猫にとって最高のおやつを選ぶためのヒントを一緒に見ていきましょう。

猫にとっておやつは必須なのか?

猫におやつは本当に必要なのでしょうか。栄養面だけで考えると、バランスの取れた総合栄養食を与えている場合、おやつは必ずしも必要ではありません。しかし、おやつは猫にとって特別な楽しみとなることが多いです。食事以外での役割を果たすおやつについて、詳しく見ていきましょう。

猫にとっておやつとは何か?

総合栄養食である主食は、猫の健康を支えるためにバランスの取れた栄養を提供します。それに対し、おやつは猫の嗜好に応じて作られ、彼らにとっての楽しみとなります。人と同じように、猫もおやつを楽しむことがあります。主食をしっかり食べていれば、おやつは必須ではありませんが、栄養補給や満腹感を超えて、心を満たしたりストレスを和らげたり、人と猫の交流を深める手段として大切な役割を果たします。

おやつにはどのような目的や役割があるのか?

おやつを与える際は、目的を持つことが重要です。いくつかの具体例を見ていきましょう。

コミュニケーション

猫と接して交流することに加えて、おやつをあげることも重要なコミュニケーションの方法です。特に長時間の留守番後には、おやつを活用して触れ合うひとときを持つと良いです。

猫のストレスケア、自然な欲求を満たす

「遊んでから食事をする」という行動は、自然界における狩りに相当します。家の中では猫が狩猟本能を十分に発揮する機会が少ないため、それがストレスの原因になることがあります。毎日一緒に遊んで、その後におやつを与えることで、猫の気持ちや本能を満たすことができるでしょう。

嫌なことを乗り越えるためのご褒美として

猫にとって不快なことをしなければならない際には、そのストレスを和らげる手段としておやつを活用することがあります。例えば、留守番をさせる場合や、爪切りを無事に済ませた後、さらには病院の受診を終えた時など、猫が嫌な経験を乗り越えたときには、その頑張りを称えておやつをあげましょう。おやつを与えるタイミングが遅れると、猫はなぜごほうびをもらったのか理解できなくなるので、不快な出来事の途中や直後に与えることが重要です。

栄養をしっかりと摂るために

適切な栄養バランスのある総合栄養食を摂ることにより、必要な栄養素を満たすことができます。しかし、食事にマンネリを感じたり、食欲がわかない時には、栄養補助や食欲増進の目的でおやつを取り入れるのは良い方法です。また、水をあまり飲まない猫には、水分補給を目的としたウェットタイプのおやつが役立ちます。

おやつを与え始めるタイミングはいつが適切か?

3~4ヶ月齢までの子猫には、栄養バランスのとれた食事が重要です。この時期は通常の食事から十分な栄養を摂ることに集中し、おやつはその後から与えるようにしましょう。

おやつを与えるタイミングはどれくらいが適切?

おやつを提供する際は、特別なルールはないものの、単にあげるのではなく、交流や報酬、トレーニングの一環として適切な時に与えることを心掛けましょう。理由もなく頻繁に与えると、おやつの特別感やその価値が低下する恐れがあります。

おやつを与える際の適切な量とは?

適切なおやつの量はどのくらいでしょうか。猫の場合、1日に必要なエネルギーの20%以内が適量とされています。たとえば、体重が4kgの成猫では、1日に与えて良いおやつの量は次のように計算されます。

おやつの与えすぎに要注意!

猫がおやつを食べ過ぎると、主食のごはんが摂れなくなることがあります。一般的に、おやつは味を際立たせるため、ごはんよりも味が濃く設定されていることが多く、偏食を引き起こしがちです。欲しがるままに与えることは、猫にとってかえって逆効果です。カロリー過多で肥満を招くおそれもあるため、栄養は主に主食から摂取するようにし、適切な体重を管理することを心掛けましょう。

おやつの種類

「カリカリ」と呼ばれるドライフードは、小分けパックでおやつに最適、携帯にも便利です。パウチやスープなどのウェットタイプは、水分補給に役立ち、水をあまり飲まない猫におすすめです。ガムタイプは、噛むことでオーラルケアができるおやつで、さまざまな硬さや形状があります。奥歯でしっかり噛めるタイプが理想的です。肉や魚を干して作るジャーキーは、保存の効くおやつで、ガムタイプ同様にオーラルケア効果があります。フリーズドライは、素材を凍結乾燥させたもので、栄養を損なわず添加物もなく、長期保存が可能です。煮干しやかつお節は猫に人気で、噛み応えがありオーラルケアになりますが、猫用を選んで与えるようにしましょう。他にも、無添加や保存料不使用、低カロリーなど、健康を考えたおやつが多数あります。ミルクは牛乳ではなく、猫用ミルクを選びましょう。

おやつの選び方、どれがベスト?

どのようなおやつを選ぶべきか、猫のライフステージに応じて考えてみましょう。幼猫期(1歳まで) 幼猫の頃から様々な食感や味を体験させることで、豊かな食の嗜好が育ちます。成猫となった後では新しい食事に対して警戒することもあるため、幼いうちに多様なおやつを試すことが重要です。成猫期(1歳~6歳頃) 室内飼いの猫は、運動不足から肥満になることがあります。そのため、おやつを与える際は体重管理を意識し、運動と組み合わせて与えることを心がけましょう。シニア期(7歳頃~) 代謝が変わり、年を重ねるごとに体重が減少しやすくなるシニア期では、おやつが食欲を刺激する助けとなります。よく食べてくれるものや必要なカロリーを補うものを選び、歯が弱くなった猫にはペーストやスープ状のものが適切です。

人間の食事を控えるべき

人間が普段口にする食べ物は、猫にとっては塩分や糖分が過剰になることがあるため、慎重に扱う必要があります。特にチーズやアイスクリームなどの乳製品は猫が喜びそうなものですが、実際には塩分や糖分が高めです。そのため、猫へのおやつとして人間の食品を与えるのは控えるべきです。さらに、犬用のドッグフードも猫には適していない場合があるので注意が必要です。

まとめ

おやつは、猫との交流を深めるためのツールとして、訓練やご褒美、感謝の気持ちを伝える手段として適切なタイミングで与えると良いでしょう。ただし、与え過ぎには注意が必要です。1日に必要なエネルギーの20%以内を目安とし、少量ずつあげることがポイントです。さまざまな種類のおやつが存在し、それぞれ味や形状、機能が異なります。猫の好みや年齢、健康状態に合わせて、最適なおやつを選んでください。

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