5号ケーキ型で焼く!基本のスポンジケーキ:失敗しないレシピ

「お菓子作りの基本」とも言えるスポンジケーキ。ふわふわで美味しいスポンジケーキは、誕生日やクリスマスなどの特別な日を彩るデコレーションケーキに欠かせません。でも、いざ作ってみると「膨らまない」「キメが粗い」なんて失敗談もよく聞きますよね。そこで今回は、5号ケーキ型で焼く、失敗しない基本のスポンジケーキのレシピを徹底解説!初心者さんでも安心の、高さが出てキメ細かく、口溶けの良いスポンジケーキ作りの秘訣を、余すことなくお伝えします。このレシピで、あなたも自慢のスポンジケーキを焼き上げましょう!

材料と器具:成功のための必須条件

スポンジケーキ作りを成功させるためには、良質な材料の選択と適切な器具の準備が欠かせません。ここでは、各種サイズにおける推奨分量と、使用する器具について詳しく解説します。特に、器具を選ぶ際には、それぞれの「役割」を理解し、目的に合ったものを選ぶことが、美味しいスポンジケーキを作る上で非常に重要です。

材料(5号 直径15cm):最適な選択と正確な計量

このレシピでは、主に5号サイズ(直径15cmの丸型)を基準に説明を進めます。

  • 卵:3個
  • グラニュー糖:90g
  • 薄力粉:90g
  • 無塩バター:30g
  • 牛乳:30ml

まずはレシピ通りに正確に作り、成功体験を得てからアレンジを加えることを強く推奨します。全ての材料を正確に計量し、準備万端で作業に取り掛かることで、生地を混ぜたり、オーブンに入れるタイミングを逃すことなく、失敗のリスクを大幅に減らすことができます。特に、卵、バター、牛乳など温度変化に影響を受けやすい材料は、事前に適切な状態にしておくことが、成功への鍵となります。

主要な器具:選び方と効果的な使い方

スポンジケーキ作りに欠かせない主要な器具は以下の通りです。それぞれの器具が生地の仕上がりに影響を与えるため、適切なものを選びましょう。

  • 量り:正確な計量に不可欠です。
  • ボウル:材料を混ぜ合わせる際に使用します。大小さまざまなサイズがあると便利です。
  • 湯煎用の鍋:卵液やバター、牛乳を温める際に使用します。
  • ふるい:薄力粉をふるうことでダマを防ぎ、均一な生地を作ります。
  • ゴムベラ:生地を混ぜる際に、泡を潰しにくいものが適しています。
  • ホイッパー(泡だて器)またはハンドミキサー:卵を泡立てるための、最も重要な器具の一つです。
  • スポンジケーキ型:生地を焼成するために使用します。
  • クッキングシート:型に敷くことで、焼き上がったケーキが型にこびりつくのを防ぎます。
  • ケーキクーラー:焼き上がったケーキの粗熱を取る際に使用します。

特に、ホイッパー(泡だて器)について補足します。もしハンドミキサーを使わずに手動で泡立てる場合は、必ずお菓子作り専用の泡立て器を使用してください。スポンジをふっくらと仕上げるためには、泡立ての際にしっかりと空気を含ませることが非常に重要です。料理用の泡立て器でも不可能ではありませんが、お菓子作りに比べて泡立てる部分が小さく、空気が入りにくいため、より多くの時間と労力が必要になります。器具を選ぶ際には、「何のために、どのように使うのか」という目的を明確にすることが、美味しいスポンジケーキを作るための重要な要素となります。

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作り方

理想のスポンジケーキを作るには、入念な下準備が不可欠です。

ステップ1:下準備 – 成功への道、最初の徹底準備

これからご紹介する3つの作業を、ケーキ作りの前に必ず済ませておきましょう。

  1. まず、ケーキ型の底と側面に合うようにクッキングシートを丁寧にカットし、型に敷きます。底面用は型の直径に合わせて丸く、側面用は型の高さと円周の長さに合わせて長方形にカットするのがコツです。型に少量のバター(分量外)を薄く塗ってからクッキングシートを貼り付けると、シートがずれにくくなります。特に側面は、シートの端を少し重ねて貼ると、焼き上がったケーキを型から取り出しやすくなります。このひと手間によって、ケーキが型に張り付くのを防ぎ、美しく取り出すことが可能になります。
  2. 次に、オーブンを180℃に予熱します。生地を作り終えたらすぐに焼き始められるよう、必ず予熱しておきましょう。予熱が完了していれば、生地の気泡がつぶれるのを防ぎ、ふっくらとした仕上がりにつながります。
  3. 最後に、無塩バターと牛乳を別のボウルに計量し、準備しておきます。これらは後で温める必要があるため、事前に計量しておけば、スムーズに作業を進められます。これらの下準備を完了してから、いよいよ生地作りに挑戦しましょう。

ステップ2:薄力粉をふるう – 均一な生地を作るための第一歩

最初のステップとして、薄力粉は必ずふるいにかけてください。ふるうことで粉のダマがなくなり、生地に加えたときに均一に混ざりやすくなります。この工程を省略すると、生地にダマが残り、焼き上がりの食感を損ねる原因になります。丁寧にふるいにかけることで、なめらかで均一な生地に仕上がります。

ステップ3.卵とグラニュー糖を湯煎で温め、理想的な泡立ちを引き出す

大きめのボウルに卵を割り入れ、グラニュー糖を加えて泡立て器で軽く混ぜ合わせます。ボウルを湯煎にかけ、泡立て器でゆっくりと混ぜながら、卵液を人肌程度の温度(約42~43℃)まで温めます。湯煎には、沸騰させたお湯を使うと効率的です。この湯煎の工程は、スポンジケーキの膨らみと食感を大きく左右する重要なポイントです。おろそかにすると、ケーキが十分に膨らまなかったり、固くなったりする原因になります。適度な熱を加えることで、グラニュー糖が卵液に溶けやすくなり、きめ細かく安定した泡立ちを促します。また、焼成時に生地が膨らむのを助ける効果も期待できます。手間を惜しまず、丁寧に行いましょう。卵に砂糖を加えたらすぐに混ぜ始めることが大切です。放置すると砂糖が固まり、焼き上がりの食感を悪くする可能性があります。ここでは泡立てる必要はなく、混ぜて温めるだけでOKです。卵が温まる前に泡立ててしまうと、焼き上がりがパサついた生地になることがあるので注意しましょう。さらに、温めすぎると卵が凝固し、これもパサつきの原因となります。卵液が人肌程度に温まったら湯煎から外し、同じお湯を使って、計量しておいた無塩バターと牛乳のボウルも温めておきましょう。

ステップ4.湯煎から外し、卵液を泡立てて、きめ細かい生地を作る

湯煎から外した人肌の卵液を、いよいよ泡立てます。「白っぽくなるまで泡立てる」という表現は曖昧になりがちですが、泡立て器から生地を垂らしたときに「の」の字が書ける程度で、その跡がゆっくりと消えていく状態(リュバン状)が、泡立ての目安です。このしっかりとした泡立てこそが、スポンジケーキのふんわりとした食感と、美しい高さの秘訣です。

手動の泡立て器を使う場合は、ボウルを少し傾け、泡立て器を円を描くように動かすと、効率よく空気を含ませることができます。しかし、手動ではリュバン状になるまで10分程度かかるため、かなりの体力が必要です。ハンドミキサーを使う場合は、最初は高速で一気に泡立てましょう。リュバン状になったら、次は生地をきめ細かくする工程です。きめ細かい生地は、口溶けの良い、ふわふわのスポンジケーキにつながります。そのためには、ハンドミキサーの速度を一番遅くして1分程度混ぜるだけでOKです。手動の場合は、泡立てた後に、軽く一周させるように混ぜると、きめが整いやすくなります。速度を落とすことで、生地の中の泡の大きさが均一になり、きめが細かくなります。ここで覚えておいてほしいのは、「生地は生きている」ということです。良い状態を保つためには、次の工程から混ぜる回数をなるべく少なく、そして手早く行うことが重要です。混ぜすぎると生地が潰れてしまい、膨らまなくなる原因になります。

ステップ5.薄力粉を混ぜる:泡を大切に、優しく

卵と砂糖を丁寧に泡立てた、きめ細かい生地に、あらかじめふるっておいた薄力粉を加えていきます。ここで大切なのは、薄力粉を一度に全部入れないこと。3回程度に分けて加えるのが、失敗しないためのコツです。一気に加えると粉がダマになりやすく、混ぜる回数が増えてしまい、せっかく泡立てた生地の空気が抜けてしまいます。ゴムベラを使って、ボウルの底から大きく「の」の字を描くように、または下から生地を持ち上げるように、さっくりと混ぜましょう。粉っぽさが少し残る程度で次の粉を加え、混ぜすぎないように注意します。混ぜすぎると、生地が硬くなってしまう原因になります。「粉っぽさがなくなるまで」を目安に、手早く混ぜるのがポイントです。

ステップ6.溶かしバターと牛乳:艶と風味の秘密

薄力粉が混ざったら、湯煎で温めておいた溶かしバターと牛乳を混ぜ合わせます。この工程は、特に慎重に行う必要があります。なぜなら、せっかく作った生地の泡が一番潰れやすいタイミングだからです。混ぜる回数をできるだけ少なくし、泡を活かすために、以下の手順で進めましょう。

  1. バターと牛乳は、卵を温める際に一緒に湯煎にかけて溶かしておくとスムーズです。もし冷めてしまった場合は、電子レンジで温め直してもOKです。
  2. 溶かしバターと牛乳に、泡立てたスポンジ生地の一部(バターと牛乳の量の約2倍)を加え、泡だて器で丁寧に混ぜ合わせます。こうすることで、バターと牛乳と生地の温度と固さを近づけ、後で全体を混ぜ合わせる際に馴染みやすく、泡が潰れるのを防ぎます。
  3. 混ぜ合わせたバターと牛乳と生地を、ゴムベラを伝わせるように、元のスポンジ生地のボウルに戻し入れます。ここでも、泡を潰さないように、底から大きく混ぜ上げて、均一になるように混ぜ合わせます。

しっかりと混ざると、生地全体に美しい艶が出てきます。これは、バターが均一に分散し、生地にコクと風味、そしてしっとりとした食感を与える準備ができた証拠です。バターと牛乳を加えても、生地がふんわりとしていて、上から垂らした時に跡が残るくらいの状態が理想的です。

ステップ7.生地を型に流し込み、焼成:絶妙な温度と時間で焼き上げる

バターと牛乳が均一に混ざったら、型にクッキングシートを敷き、生地を静かに流し込みます。この時、高い位置から生地を流し込むのはNGです。せっかくの泡が潰れてしまい、ふっくらとした仕上がりになりません。型のすぐ近くから、優しく生地を流し込みましょう。生地を流し終えたら、型ごと軽く数回トントンと作業台に打ち付け、生地の中の大きな気泡を抜きます。こうすることで、焼き上がりの断面が美しく、均一になります。予熱しておいた180℃のオーブンで、約25~30分焼きます。オーブンの種類や状態によって焼き時間が異なるので、様子を見ながら調整してください。25分ほど経ったら、竹串を刺して生地が付いてこなければ焼き上がりです。表面が焦げ付きそうな場合は、アルミホイルをかぶせて焼き色を調整しましょう。

ステップ8.焼き縮み防止と冷却・保存:しっとり感を閉じ込める

焼き上がったスポンジケーキは、すぐに型ごと10cm程度の高さから作業台に落とします。この衝撃で、生地の中にこもった熱い空気が抜け、焼き縮みを防ぎます。その後、すぐに型から取り出し、ケーキクーラー(網)の上に逆さまにして粗熱を取ります。逆さまにすることで、ケーキの重みで中央が凹むのを防ぎ、平らな状態を保ちます。焼きたてのケーキはまだデリケートで、急激な温度変化や重みで形が崩れたり、乾燥したりしやすいので、冷却工程はとても重要です。粗熱が取れたら、クッキングシートを付けたままラップでしっかりと包み、冷蔵庫で半日~1日ほど寝かせるのがおすすめです。冷蔵庫で休ませることで、生地の水分が落ち着き、よりしっとりとした、口溶けの良いスポンジケーキに仕上がります。慣れてくると、材料の準備から焼き上げ、片付けまで、約30分でできるようになります。ぜひこのレシピを試して、ふわふわで美味しいスポンジケーキを作ってみてください。

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共立てで作る:シンプルながら奥深い、泡立てのコツ

共立て法は、卵黄と卵白を分けずに全卵を泡立てる方法で、本レシピでも採用しています。卵を湯煎で温め、グラニュー糖を加えて、白っぽくもったりとするまで泡立てます。別立てよりも工程はシンプルで、しっとりとした食感が特徴です。ただし、共立ては泡立て不足だと膨らみに影響が出やすいため、ハンドミキサーで「8の字がゆっくり消える」まで、しっかりと泡立てることが重要です。

別立てで作る:軽さを追求するなら、この方法

別立て法は、卵黄と卵白を別々に泡立ててから混ぜ合わせる方法です。卵白をメレンゲ状にするため、非常に軽い食感のスポンジケーキを作ることができます。まず、卵黄に砂糖の一部を加えて泡立て、次に卵白に残りの砂糖を加えて、角が立つまでしっかりとメレンゲを作ります。最後にメレンゲと卵黄生地を混ぜ合わせ、粉類を加えます。メレンゲの泡を潰さないように、均一に混ぜ合わせる必要があり、共立てよりも技術が必要ですが、その分、格段にふっくらとしたスポンジが焼き上がります。

焼き加減:オーブンの個性を知ることから

スポンジケーキの焼き上がりは、オーブンの癖によって大きく変わります。レシピでは通常、180度で25~30分と記載されていますが、オーブンの機種によって庫内温度や熱の伝わり方が異なるため、調整が必要です。表面が焦げそうな場合はアルミホイルをかぶせ、焼きが足りない場合は数分追加で加熱するなど、臨機応変に対応しましょう。オーブンの特性を理解し、焼き始めから焼き終わりまで、生地の状態を注意深く観察することが、おいしいスポンジケーキを作るための秘訣です。

まとめ

この記事では、ふっくらとしていて口当たりの良いスポンジケーキを作るための秘訣を詳細に解説しました。成功のポイントは、入念な準備、卵を体温程度に温めてしっかりと泡立てること、泡を壊さないように丁寧に粉類と溶かしバター・牛乳を混ぜ合わせること、そして適切な温度と時間で焼き上げること、さらに焼き縮みを防ぐための冷却と保存方法にあります。ぜひ、このガイドを参考に、ご家庭で本格的なスポンジケーキ作りに挑戦して、その美味しさを体験してみてください。

スポンジケーキが思うように膨らまないのはなぜ?

スポンジケーキが十分に膨らまない主な原因として、卵の泡立てが足りないことや、粉類や溶かしバター・牛乳を加える際に、せっかく作った泡を潰してしまうことが考えられます。卵を泡立てる際には、「リボン状になる」状態、つまり生地を落としたときに跡がゆっくりと消える状態になるまでしっかりと泡立て、その後は泡を大切に、優しく、かつ素早く混ぜ合わせることが大切です。また、オーブンの予熱が不十分な場合も、膨らみが悪くなることがあります。生地を型に流し込む際には、高い位置から勢いよく流し込むと泡が潰れやすいので、型のすぐ近くから静かに流し込むようにしましょう。

どうすれば、スポンジケーキがしっとり仕上がりますか?

スポンジケーキをしっとりと仕上げるためには、焼き上がった後の冷却方法と保存方法が非常に大切です。焼き上がったらすぐに型を少し高いところから落として、焼き縮みを防ぎ、ケーキクーラーの上で逆さまにして冷まします。完全に冷めたら、乾燥しないようにオーブンシートごとラップでしっかりと包み、できれば冷蔵庫で半日から一日程度寝かせることで、生地全体の水分が均一になり、よりしっとりとした食感になります。

焼き上がったスポンジケーキが沈んでしまう原因は何ですか?

焼き上げたスポンジケーキが沈む理由は、主に焼きが十分でないか、または冷却の過程で急激な温度変化が起きたためと考えられます。特に焼きが足りないと、生地内部の水分が完全に蒸発せず、冷える段階で収縮して沈んでしまうことがあります。また、焼き上がり後に型からすぐに取り出さずに放置したり、ケーキクーラーで逆さまにして冷まさなかったりすると、ケーキ自体の重さで中心部分が沈むことがあります。焼き上がったら、型に入ったままの状態で台に軽く打ち付け、内部の熱い空気を逃がすことが、沈みを防ぐために効果的です。

スポンジケーキ5号