サツマイモ栽培で豊作を!つる返しの効果、タイミング、方法、不要な場合を徹底解説
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サツマイモは、土地を選ばず育てやすく、栽培の手間も比較的少ないため、家庭菜園でも人気の作物です。しかし、大きく甘いサツマイモを収穫するには、「つる返し」という作業が欠かせません。この作業を行うことで、サツマイモ特有の「つるボケ」を抑制し、イモの生育に必要な養分を集中させることができます。大きく甘いサツマイモを収穫するには、つる返しという作業が重要です。この記事では、つる返しの理由、メリット、時期、方法、不要な場合を解説します。この記事を参考に、サツマイモ栽培を成功させましょう。

サツマイモの「つる返し」とは?基本と重要ポイント

サツマイモ栽培で収穫量を増やし、良質なイモを収穫するために重要な作業が「つる返し」です。これは、地面を這うように伸びるサツマイモのつるを持ち上げ、余分な根を切る作業です。単純な作業に見えますが、サツマイモの成長に深く関わっており、適切に行わないとイモの大きさや品質に影響が出ます。
一般的に、サツマイモのつるは植え付けから1〜2ヶ月ほどで大きく伸び始めます。伸びたつるが地面に触れると、節から「不定根」という根が生えます。不定根は土から養分を吸収し、成長を続けます。放置すると、不定根から小さなイモ(つる成りイモ)ができてしまうことがあります。これは株全体の養分を分散させ、本来大きく育つはずの株元のイモへの栄養を不足させる原因となります。その結果、株元のイモが十分に大きくならず、全体的に小ぶりなサツマイモしか収穫できなくなる可能性があります。
「つる返し」は、不定根の発生を抑え、養分を株元のイモに集中させるために行います。伸びたつるを地面から剥がし、不定根を切ることで、つる成りイモの成長を防ぎ、つるや葉への養分消費を抑えます。こうすることで、サツマイモが光合成で作った栄養が、株元のイモに効率よく運ばれ、大きく美味しいサツマイモへと成長します。サツマイモの「つる返し」は、栽培初期の土作りや植え付けと同様に、収穫量を大きく左右する重要な作業なのです。

つる返しのメリット:つるボケ防止とイモの成長促進

サツマイモのつる返しは、単なる手入れではなく、収穫量と品質を向上させるための重要な栽培技術です。主なメリットは2つあります。1つは「つるボケ」の防止、もう1つは「株元のイモへの栄養集中」による成長促進です。これらのメリットは深く関わり合っており、最終的に大きく甘いサツマイモの収穫につながります。

つるボケとは?発生原因とつる返しの効果

サツマイモ栽培における「つるボケ」とは、イモがあまり大きくならず、葉やツルばかりが茂ってしまう状態のことです。これは、土壌中の窒素が多すぎたり、つるから生える「不定根」が原因で起こることが多いです。サツマイモのつるは地面に触れるとすぐに不定根を出し、そこから養分を吸収してツルを伸ばそうとします。不定根が多く発生すると、株全体の栄養が葉やツル、不定根にできた小さなイモ(つる成りイモ)に分散してしまいます。その結果、株元のイモに十分な栄養が行き渡らず、イモの成長が妨げられてしまいます。
つる返しを行うことで、不定根の発生を物理的に防ぐことができます。伸びたつるを地面から剥がし、地面に張った不定根を切ることで、余分な養分吸収を防ぎ、つるボケになるのを防ぎます。これにより、葉やつるに集中しがちだった養分が、株元のイモの成長に使われるようになります。つる返しは、サツマイモが健全に成長し、豊かな収穫を得るための「栄養管理」と言えるでしょう。

栄養を株元に集中させ、イモの生育を促進

サツマイモは、葉で光合成を行い生成した栄養分を、根に蓄積することでイモを大きく育てる植物です。つる返しを実施することで、不要な根の成長が抑えられ、過剰なつるの繁茂が抑制されると、光合成によって作られた栄養が余すことなく、株元のイモへと効率的に供給されるようになります。具体的には、つる返しを行うと、ツルの節から伸びる根が遮断され、土壌から栄養や水分を吸収する能力が制限されます。その結果、植物全体で吸収された養分は、栄養を蓄える役割を持つ株元の主要なイモに集中的に供給されることになります。
もしつる返しをせずに放置した場合、そこから新たなイモが発生することがあります。これらのイモは、親イモと同様に栄養を必要とするため、結果として全体の栄養が分散し、どのイモも十分に大きく育たない状況に陥りやすくなります。つる返しは、この栄養の分散を防ぎ、株元にできるイモに最大限の栄養を届けることで、一つ一つのイモを大きく、品質の良いサツマイモに育て上げます。これは、収穫量だけでなく、イモの品質(大きさ、甘み、食感)を向上させる上でも非常に重要な作業です。

サツマイモの「つる返し」最適な時期とタイミング

サツマイモのつる返しは、効果を最大限に発揮させるために、適切な時期とタイミングで行うことが不可欠です。タイミングが適切でないと、期待する効果が得られないばかりか、サツマイモに負担をかけてしまう可能性もあります。サツマイモの成長過程を理解し、その段階に合わせて作業を進めることが成功への鍵となります。

サツマイモの生育サイクルとつる返しのタイミング

サツマイモは、植え付け後、まずツルや葉といった地上部が活発に成長します。一般的に、6月下旬から7月初旬の梅雨時期に入ると、気温と湿度の上昇に伴い、地上部のツルが著しく成長し始めます。そして、8月下旬から9月上旬にかけて、地上部の成長が最も盛んになります。この時期になると、ツルの節々から多数の根が伸び始め、土中の栄養や水分を吸収しようと地中へと広がっていきます。これらの根は急速に広がり、時には隣の畝や通路にまでツルが伸びてしまうこともあります。
つる返しの最適なタイミングは、地上部の成長がピークを迎える少し前、つまり、ツルが畝からはみ出し始め、地面に接して根を張り始める初期段階が理想的です。具体的には、ツルが畝の端を越えて地面に広がり始めたら、つる返しを始めるのに適した時期と言えます。この段階でつる返しを行うことで、根が深く根付く前に対処でき、サツマイモへの負担を最小限に抑えることができます。

時期を逃さない!具体的な実施タイミング

つる返しの具体的なタイミングは、サツマイモの種類や栽培地の気候条件によって多少異なりますが、一般的には以下の時期を目安にすると良いでしょう。

  • **最初のつる返し:** 植え付け後、およそ1ヶ月半から2ヶ月が経過し、ツルが畝の範囲を超えて伸び始めた頃。多くの地域では7月下旬から8月上旬頃が最初のタイミングとなることが多いでしょう。
  • **繰り返し実施の必要性:** サツマイモのツルは収穫時期まで成長を続けるため、つる返しは一度行えば終わりではありません。ツルの成長状況を定期的に確認し、畝からツルがはみ出して根を張り始めたら、収穫まで複数回(通常は2〜3回)繰り返して行う必要があります。特に、成長が早い品種やツルがよく伸びる環境では、こまめな確認と作業が重要になります。

つる返しを控えるべきタイミング

芋の生育が本格化する9月中旬以降は、つる返しは避けるのが賢明です。なぜなら、この時期のサツマイモは、地上部分の成長よりも、地中の芋に栄養を蓄えることに全力を注ぐからです。この重要な肥大期に、つる返しを行うことは、サツマイモにとって不要なストレスとなり、成長を妨げる要因になりかねません。加えて、長く伸びた蔓を引き剥がす作業は、見た目以上に体力を消耗し、株を傷つける危険性も伴います。したがって、芋の肥大期に入ったら、つる返しは控え、収穫の時を静かに待つのがベストです。
サツマイモの生育状況をこまめに観察し、適切な時期に適切な方法でつる返しを行うことが、豊かな収穫への鍵となります。

専門家が伝授!「つる返し」の実践方法と秘訣

サツマイモのつる返しは、単純作業に見えがちですが、その効果を最大限に引き出し、株へのダメージを最小限に抑えるためには、いくつかの重要なポイントがあります。ここでは、具体的な手順と、作業時の注意点を詳しく解説します。

つる返しの基本ステップ

つる返しの手順はシンプルですが、一つ一つ丁寧に進めることが大切です。

  1. **伸びた蔓を地面から剥がす:** 畝の外に伸び、地面に接している蔓を、根元近くから丁寧に持ち上げます。この際、蔓を無理に引っ張ったり、粗雑に扱ったりすると、株を傷つける原因となるため、慎重に行いましょう。地面に密着していた蔓の節からは、多数の不定根が伸び、土に根を張っているはずです。蔓をゆっくりと持ち上げることで、これらの不定根が音を立てて土から剥がれ、自然に切れていきます。
  2. **不要な不定根と蔓にできた芋を取り除く:** 剥がした蔓についている不定根は、完全に除去されているか確認します。また、不定根の先に小さな芋(蔓にできた芋)が付いていることもあります。これらも養分を奪うため、手で丁寧に取り除きましょう。蔓にできた芋は小さく、食用には適さないことがほとんどです。
  3. **蔓を裏返しにして畝に戻す:** 不定根を取り除いた蔓や葉は、裏返しにして、元の畝に戻します。葉の裏側を上に向けることで、光合成を一時的に抑制し、蔓が過剰に成長するのを抑える効果が期待できます。ただし、蔓を強く折り曲げすぎると傷める可能性があるため、自然な状態で畝の上に置くように心がけてください。

作業の負担を減らすコツと注意点

つる返しは、特に蔓が長く伸び、不定根が多く発生している場合、かなりの労力を要します。作業の負担を軽減し、効率的に行うためのヒントをいくつかご紹介します。

  • **こまめな実施:** 蔓があまり伸びていない段階で、適度な間隔で実施することが重要です。蔓が短いうちであれば、剥がす作業も容易になり、不定根も小さいため、株への負担を軽減できます。例えば、2週間ごとに畝の状態をチェックする習慣をつけると良いでしょう。
  • **事前の整理:** 蔓や葉が密集する前に、ある程度蔓を整理しておくと、後のつる返し作業がスムーズになります。蔓が絡み合っていると、一本ずつ剥がすのが困難になるためです。
  • **株を傷つけないように注意:** 作業中は、株元や主要な蔓を傷つけないよう、細心の注意を払いましょう。サツマイモは比較的丈夫な植物ですが、大きな傷は生育に悪影響を及ぼす可能性があります。特に、蔓を強く引っ張る際は、株が土から抜けないように根元を軽く押さえながら行うと効果的です。
  • **天候を確認:** 作業は晴れた日に行うのが理想的です。雨上がりなどで土が湿っていると、蔓が剥がれにくく、泥で汚れることがあります。また、真夏の炎天下での作業は熱中症のリスクがあるため、早朝や夕方など、比較的涼しい時間帯を選ぶことをお勧めします。

これらのヒントを参考にすることで、つる返しの作業がよりスムーズになり、効果的に行うことができ、最終的には豊かなサツマイモの収穫に繋がるでしょう。

避けるべき!サツマイモのつるを切らない理由

つる返しの最中に、伸びすぎたつるが邪魔になり、「切ってしまおうか」という考えが頭をよぎるかもしれません。しかし、サツマイモを栽培する上で、**つるを切断することは絶対にNG**です。つる返しとは、あくまで「地面に着いた節から伸びる根を切る」作業であり、「つる自体を切る」こととは全く異なります。この違いをきちんと理解することが、立派なさつまいもを収穫するための非常に大切なポイントとなります。

光合成の重要性とデンプンが作られる仕組み

サツマイモは、葉っぱで行われる「光合成」という働きによってデンプンを作り出し、そのデンプンを地中の根っこ(私たちが食べる芋の部分)に蓄えることで大きくなります。葉は太陽の光エネルギーを使って、空気中の二酸化炭素と土の中の水分から糖分を生成する、言わば「芋の製造工場」のような役割を担っています。この糖分が変化してデンプンとなり、つるを通して芋へと運ばれていくのです。
つまり、サツマイモの葉やツルは、芋を大きく育てるために欠かせない存在なのです。葉の面積が大きければ大きいほど、たくさんの光合成が行われ、より多くのデンプンが生成されます。つるは、このデンプンを芋に届けるための「輸送パイプ」のような役割を果たしていると言えるでしょう。

つるを切ると収穫にどんな悪い影響があるのか

もしサツマイモのつるを誤って切ってしまうと、次のような深刻なデメリットが発生します。

  • **光合成を行う能力の低下:** つるを切るということは、単純に葉っぱの数を減らしてしまうことになります。その結果、光合成ができる面積が小さくなり、芋を大きくするために必要なデンプンの生産量が大幅にダウンしてしまいます。芋への栄養が不足すると、当然ながら芋は大きく成長しません。
  • **芋の成長を妨げる:** デンプンが十分に作られなかったり、デンプンの通り道であるつるが切断されたりすることで、芋への栄養補給が滞ってしまいます。その結果、芋の成長がストップしてしまい、小さい芋しか収穫できなくなったり、最悪の場合、ほとんど芋が収穫できないという事態も考えられます。
  • **株への負担と病気のリスク:** つるを切るという行為は、植物にとって大きなダメージとなります。その切り口から細菌などが侵入しやすくなり、病気になるリスクが高まります。また、植物全体がストレスを感じ、その回復にエネルギーを使ってしまうため、芋の成長に悪い影響が出てしまいます。

ですから、つる返しの作業を行う際は、あくまで伸びて地面についてしまったツルの節から生える「不定根」だけを取り除くように心がけ、サツマイモにとって大切な本体であるつるや葉を切るような「剪定」は絶対に行わないように注意しましょう。つるを裏返すようにして畝の上に乗せるだけでも十分効果があり、むしろその方が芋の生育にとっては良い結果をもたらします。

つる返しがいらない場合もある?品種や育て方で変わる必要性

サツマイモ栽培におけるつる返しは、昔から重要視されてきた作業ですが、最近では必ずしも必要とは言えないケースも出てきています。その背景には、品種改良の進歩や、栽培技術の進化があります。すべてのサツマイモ畑でつる返しをしなければならないというわけではなく、自分の畑の環境や育てている品種に合わせて、つる返しの必要性を判断することが大切です。

品種改良がもたらすサツマイモ栽培の変化

近年開発されたサツマイモの品種は、昔ながらの品種に比べて、栽培のしやすさや収穫量向上のために様々な改良が加えられています。以下に主な特徴をまとめました。

  • **ツルの伸長を抑制した品種:** 従来の品種はツルが旺盛に伸び、栽培スペースからはみ出すことがよくありました。しかし、近年の品種ではツルの伸びを抑え、コンパクトにまとまるように改良されたものがあります。ツルの広がりが少ないため、畝の外への不定根発生も抑えられ、つる返しの頻度を減らすことができます。
  • **根元のイモを大きく育てやすい品種:** 品種改良によって、ツルから発生する不定根への栄養分散を抑制し、株元の主要な根に栄養が集中するように工夫された品種が増加しています。その結果、つる返しを行わなくても、株元のイモが大きく育ちやすくなっています。
  • **過繁茂(つるボケ)しにくい品種:** 窒素分の吸収効率や、デンプン生成・蓄積のメカニズムが改善され、葉や茎ばかりが生長するつるボケを起こしにくい品種も開発されています。これらの品種は、多少ツルが茂っても、イモの生育への影響が少ない傾向があります。

例えば、「紅赤」といった昔ながらの品種ではつる返しが欠かせない作業でしたが、「紅はるか」や「シルクスイート」のような最近人気の品種では、つる返しの必要性が低い、または不要な場合もあります。栽培する品種の特性を事前に確認し、適切な管理をすることが重要です。改良品種に対して無理につる返しを行うと、株を傷つけ、生育を阻害する可能性もあるので注意が必要です。

栽培方法を工夫してつる返しを軽減

品種改良に加えて、栽培方法を工夫することでも、つる返しの手間を減らすことができます。

  • **マルチ栽培の導入:** サツマイモを栽培する畝にマルチ(黒色ポリフィルムなど)を敷くことで、つる返し作業を大幅に軽減できます。マルチによって、ツルが直接土に触れる機会が減り、不定根の発生を物理的に抑制できるからです。不定根が発生しなければ、つる返しの必要はありません。マルチは地温を安定させ、雑草の抑制にも効果があるため、多くの農家で採用されています。
  • **防草シートの有効活用:** 畝の通路や側面に防草シートを設置することも有効です。ツルが畝からはみ出しても、防草シートの上では不定根が土に根を張ることができません。これにより、つる返しの頻度を減らしたり、完全に省略することも可能です。

夏の暑い時期に行うつる返しは、特に大規模栽培を行う農家にとって重労働であり、人件費や労力の面で負担となります。そのため、品種選びや栽培方法の工夫は、作業効率を向上させ、コストを削減するための有効な手段となります。ただし、これらの方法を取り入れる場合でも、定期的にツルの状態を確認し、マルチの隙間やシートの端から不定根が侵入していないかを確認することが重要です。

まとめ

サツマイモ栽培における「つる返し」は、収穫量と品質を左右する重要な作業の一つです。これは、ツルから伸びる「不定根」を切断し、葉やツルばかりが生長する「つるボケ」を防ぎ、光合成によって作られた栄養をイモに集中させることを目的としています。不定根を放置すると、小さな「ツル根イモ」ができてしまい、本来大きく育つはずの株元のイモへの栄養供給が滞り、収穫量の減少やイモの品質低下につながります。
つる返しの最適なタイミングは、ツルが畝の外に広がり始め、不定根が出始める時期、具体的には6月下旬から9月上旬の生育が旺盛になる前です。作業は、伸びたツルを土から剥がし、不定根やツル根イモを取り除いた後、ツルを裏返して畝に戻すという手順で行います。ただし、イモの肥大が進む9月中旬以降は、株へのストレスを考慮し、つる返しは避けるようにしましょう。
つる返しの際に最も重要な注意点は、**サツマイモのツルを切らない**ことです。ツルや葉は光合成を行い、イモを大きくするためのデンプンを作り出す役割を担っています。ツルを切ってしまうと、デンプン生産能力が低下し、イモの生育が悪くなってしまいます。
近年では、品種改良が進み、ツルが伸びにくい品種、株元にイモができやすい品種、つるボケしにくい品種が登場しており、これらの品種ではつる返しが不要となるケースもあります。また、マルチを張ったり、防草シートを敷いたりする栽培方法も、不定根の発生を抑制し、つる返しの手間を省く有効な手段です。
栽培するサツマイモの品種や栽培環境を考慮し、本記事で解説した効果、タイミング、やり方、注意点、そして不要なケースを参考に、適切な管理を行うことで、サツマイモ栽培を成功させ、美味しく大きなイモをたくさん収穫しましょう。


つる返しは本当に必要な作業ですか?

サツマイモの品種と栽培方法によって異なります。従来の品種や、ツルがよく伸びる品種、マルチを使用しない露地栽培では、良質なイモを収穫するためにつる返しは重要な作業です。しかし、近年開発された品種の中には、ツルの伸びが少ない、株元にイモができやすい、つるボケしにくい特性を持つものがあり、つる返しが不要な場合もあります。また、マルチング栽培や防草シートを使用する栽培では、不定根の発生を抑えることができるため、つる返しの必要性が低くなります。ご自身の栽培品種の特性と栽培環境を確認し、つる返しの必要性を判断してください。

つる返しをしないとどうなるのでしょうか?

もし、つる返しを行わないと、サツマイモの蔓が地面に接した部分から、たくさんの「不定根」が生えてきます。これらの不定根は、土壌中の栄養分を吸収し、さらに小さな芋(蔓からできた芋)を形成することがあります。その結果、植物全体の栄養が葉や蔓、そして蔓からできた芋に分散してしまい、本来大きく育ってほしい根元の芋への栄養供給が不十分になります。そのため、芋が「つるぼけ」という状態になり、小さな芋しか収穫できなかったり、収穫量が期待を下回ったりする可能性が高まります。

つる返しの最適なタイミングはいつですか?

つる返しに最適な時期は、サツマイモの蔓が畝を越えて大きく伸び始め、地面に触れて不定根を出し始めた頃合いです。具体的には、苗を植え付けてから1ヶ月半から2ヶ月ほど経過し、多くの地域では7月下旬から8月上旬あたりが最初のタイミングになることが多いでしょう。サツマイモの地上部分が急速に成長を始める6月下旬から7月初旬の梅雨の時期を過ぎて、8月下旬から9月上旬の成長が最も盛んな時期の前に行うのが理想的です。芋の肥大が本格的になる9月中旬以降は、株に負担をかけることになるので、つる返しは避けるべきです。

つる返しの具体的なやり方を教えてください。

つる返しのやり方は以下の通りです。まず、畝の外に伸びて地面についている蔓を、根元を軽く押さえながらゆっくりと持ち上げ、土から剥がします。この時、地面にしっかりと根を張っている不定根が切れるのを確認しましょう。次に、剥がした蔓についている不定根や、もしできていれば小さな蔓からできた芋を手で丁寧に取り除きます。最後に、不定根を取り除いた蔓や葉を、裏返しになるようにして自分の畝の上に戻してあげます。この作業は、蔓の成長に合わせて、収穫するまでに数回繰り返すと効果的です。

サツマイモの蔓は切ってしまっても大丈夫ですか?

いいえ、サツマイモの蔓は絶対に切ってはいけません。つる返しは、「不定根を切る」作業であって、「蔓を切る」ことではありません。サツマイモの葉は、光合成によってデンプンを作り出し、そのデンプンが蔓を通して地中の芋に運ばれて肥大化します。蔓や葉を切ってしまうと、光合成を行う面積が減少し、芋を大きく育てるために必要なデンプンの生産量が大幅に減少してしまいます。その結果、芋の肥大が著しく妨げられ、収穫量が減ったり、小さな芋しか収穫できなくなったりする原因となります。

つる返しは大変な作業だと聞きますが、何か負担を減らすコツはありますか?

つる返しは、つるが長く伸びて、そこから伸びる根が深く張ってしまうと、どうしても重労働になりがちです。作業を少しでも楽にするためには、つるがあまり伸びすぎていない段階でこまめに行うことが重要です。例えば、2週間おきに畑の状態を確認し、つるが畝からはみ出し始めたら、できるだけ早く作業に取り掛かることで、引き剥がすのにかかる力を減らすことができます。また、つるや葉が密集してくる前に、ある程度つるを整理しておくと、絡まりを防ぎ、作業効率が上がります。加えて、マルチ栽培をしたり、通路に雑草防止シートを敷いたりすることで、余計な根が生えるのを物理的に防ぎ、つる返しの手間を省くことも有効な手段です。

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