リコリス(甘草)徹底ガイド:効果・効能から注意点まで
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リコリスは、甘草(カンゾウ)とも呼ばれるマメ科の多年草ハーブです。その根に含まれる特有の甘みは、世界中で甘味料や医薬品、特に漢方薬の原料として利用されてきました。この記事では、リコリスが持つ様々な効果効能、その作用メカニズム、適切な摂取量、注意すべき副作用、他の薬との相互作用について詳しく解説します。リコリスの魅力と正しい知識を理解し、安全に活用するための情報を提供し、読者の皆様がリコリスを賢く生活に取り入れる手助けとなることを目指します。

リコリスとは:基本情報と甘草との違い

リコリスは、南ヨーロッパからアフガニスタン原産の植物です。和名では甘草と呼ばれ、根には砂糖の数十倍もの甘さを持つグリチルリチン酸が豊富に含まれています。この成分が、食品や医薬品に利用されてきました。植物としては、高さ40~100cmに成長し、全体に毛が生えているのが特徴です。葉は複数の小さな葉が集まった羽状複葉で、茎に互い違いに生えます。葉の形は先端が尖った楕円形で、縁は滑らかです。開花時期は6~7月頃で、薄紫色の蝶のような形の花が密集して咲きます。花の後には、蒴果という果実ができます。

学名の由来と主な成分

リコリスの学名「Glycyrrhiza」は、ギリシャ語の「甘い根」に由来します。種小名の「glabra」は「無毛の」という意味で、植物の特徴を表しています。主要成分は、根に含まれるグリチルリチン酸と、皮に含まれるフラボノイドです。グリチルリチン酸は甘味だけでなく、抗炎症、抗アレルギー、抗ウイルス作用など、様々な薬理効果を持ちます。フラボノイドは、抗酸化作用や抗肥満作用など、美容や健康維持に役立つ成分です。リコリスから抽出されるフラボノイドは、「甘草グラブラポリフェノール」とも呼ばれます。

「スペイン甘草」と「ウラル甘草」の違い

一般的に甘草というと、漢方薬の生薬を思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし、リコリス(スペイン甘草)と、東アジアで使用されている生薬ウラル甘草は、厳密には異なる品種です。ウラル甘草もグリチルリチン酸を主成分とし、多くの漢方薬に配合されていますが、スペイン甘草とは特性や利用法に違いがあります。見分けるポイントの一つは茎の長さで、長いものがスペイン甘草、短いものがウラル甘草とされています。スペイン甘草は、緊張緩和、鎮痛、解毒効果があるハーブとして、風邪薬や胃薬などに使用され、グリチルリチン酸の原料にもなります。園芸で使われる「リコリス」は、薬用リコリスとは異なるので注意が必要です。

リコリスの知られざるパワー:効果・効能と科学的エビデンス

リコリス、別名甘草は、その主成分であるグリチルリチンとフラボノイドによって、様々な健康効果をもたらすことが知られています。これらの効果は、伝統医学における長年の使用経験と、最新の科学研究によってその有効性が確認されています。

炎症抑制・アレルギー緩和効果

リコリスの根に豊富に含まれるグリチルリチンは、優れた炎症抑制作用とアレルギー緩和作用を持つことで有名です。この成分は、体質に起因する蕁麻疹、湿疹、アトピー性皮膚炎といった皮膚のアレルギー症状の緩和や、関節炎や気管支炎など、体内の炎症反応を鎮める効果が期待されています。特に、鼻腔、眼、咽喉、胃などの粘膜の炎症を鎮める効果が高く、風邪薬の喉の痛み止め、口腔内殺菌トローチ、アレルギー性結膜炎の点眼薬などにも配合されています。また、発熱、痰、咳といった呼吸器系の症状を和らげる効果も期待できます。この炎症抑制作用は、グリチルリチンが持つ細胞膜安定化作用によるものです。これにより、アレルゲンや炎症の原因から体を保護すると考えられています。敏感肌やアレルギー体質の方の肌トラブルの軽減に役立つ可能性も示唆されています。

胃腸の健康促進と粘膜保護作用

リコリスに含まれるグリチルリチンは、胃の粘膜を保護する作用も有しています。この作用により、胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍といった胃腸の不調や不快症状の緩和に貢献すると考えられています。粘膜への刺激を抑制することで、胃酸によるダメージを軽減し、潰瘍の治癒を促進する効果が期待できます。実際に、アスピリンによる胃潰瘍を対象とした研究では、アスピリン誘発胃潰瘍に関して、リコリスでコーティングされたアスピリンが胃潰瘍の発生率を減少させたという報告があります。治療中の場合は必ず医師に相談してください。さらに、この粘膜保護作用は、食欲不振や下痢といった消化器系の不快な症状を和らげる効果も期待できます。

ストレス軽減効果とメンタルヘルスへの影響

現代社会において、ストレスは心身の健康を脅かす大きな要因の一つです。通常、私たちの体は副腎皮質から分泌されるホルモンによってストレスを制御していますが、過度なストレスは副腎皮質の機能を低下させ、ストレスへの対応が困難になることがあります。リコリスに含まれるグリチルリチンは、副腎皮質の機能をサポートし、ストレスを抑制するホルモンであるコルチゾールの生成を促進することで、ストレス症状の緩和に繋がると考えられています。また、グリチルリチンには、アルドステロンに類似したホルモン様作用があり、体内の血圧維持やストレス反応に関与するため、うつ病などの精神的な不調の予防にも役立つ可能性が示唆されています。

美白・美肌効果

リコリスの根に含まれる豊富なフラボノイドは、透明感のある肌を目指す方にとって有用な成分です。フラボノイドはポリフェノールの一種で、紫外線やストレス、疲労によって増加する活性酸素に対抗する強力な抗酸化作用を持ちます。活性酸素は肌細胞を酸化させ、シミやくすみの原因となりますが、フラボノイドはその活動を抑制し、肌を健やかに保ちます。韓国科学技術院生命科学研究科の研究データによれば、リコリスはメラニン生成に関わる酵素「チロシナーゼ」の働きを抑制する効果があることが示唆されています。これにより、日焼けによる色素沈着を予防し、明るい肌へと導く効果が期待できます。さらに、フラボノイドは血行促進作用もあるため、肌のターンオーバーを促し、老廃物の蓄積を防ぐことにも貢献します。

体脂肪減少・生活習慣病予防効果

リコリスに含まれるフラボノイドの一種、「グラボノイド」には、体脂肪が気になる方の健康維持に役立つ可能性があることが研究で明らかにされています。軽度肥満の方を対象とした研究では、リコリス由来のグラボノイドを一定期間摂取することで、脂肪量の減少が確認されました。また、別の研究では、体重、BMI、内臓脂肪面積、血中コレステロール値の低下も確認されており、グラボノイドの抗肥満作用が示唆されています。リコリスはその甘さにも関わらず低カロリーであるため、砂糖の代替品として活用することで、ダイエットをサポートする可能性も秘めています。
さらに、リコリスは体内の異物処理機能をサポートすると言われています。具体的には、毒素排出を促して肝機能をサポートしたり、細胞内皮の抵抗力を高めたり、胃粘膜を保護するなど、多方面から体を守る働きが期待できます。リコリスに含まれるグリチルリチン酸は、強い甘味成分でありながら、血糖値を急激に上昇させる心配がなく、糖尿病のリスクを高めることもないとされています。また、体の防御機能を高め、薬の副作用を軽減する効果も期待できるため、風邪薬との併用も検討できます。

その他の効果

リコリスは、鎮咳・去痰作用もあるとされており、呼吸器系の症状緩和に役立つ可能性があります。咳を鎮め、呼吸を楽にする効果が期待できます。また、イソフラボンをはじめとする豊富なフラボノイドを含んでいるため、利尿作用も期待されています。総合的に見ると、リコリスは免疫力を高め、外部からの刺激や体内の不調に対する抵抗力をサポートする、頼りになるハーブと言えるでしょう。

リコリスの主要成分とその作用メカニズム

リコリスが持つ様々な効果は、主に「グリチルリチン酸」と「フラボノイド(特にグラボノイド)」という二つの主要成分によって発揮されます。これらの成分が体内でどのように働き、私たちの健康に貢献するのか、詳しく見ていきましょう。

グリチルリチン酸の働き

リコリス(甘草)の根に豊富に含まれるグリチルリチン酸は、特有のトリテルペンサポニンであり、その甘さは砂糖の約150倍にも及びます。研究により、この成分には顕著な抗ウイルス作用、抗炎症作用、そして抗アレルギー作用があることが確認されています。特に、粘膜の炎症を和らげる効果が高く、風邪による喉の痛みや鼻の炎症を抑えるための風邪薬、口腔内の殺菌を目的としたトローチ、アレルギー性結膜炎の症状を緩和する点眼薬などに広く利用されています。さらに、粘膜保護作用により、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の治療、慢性肝炎やウイルス性肝炎の改善への効果も期待されています。
また、グリチルリチン酸は、体内のホルモンバランスにも影響を与えます。特に、ストレスに対抗する副腎皮質ホルモンであるコルチゾールの生成を促進する作用があります。コルチゾールは、ストレス反応の調整や炎症の抑制に重要な役割を果たします。グリチルリチン酸が副腎皮質の機能をサポートすることで、体内のストレス応答が円滑に進み、結果としてストレス症状の緩和につながると考えられています。このホルモン様作用は、血圧維持に関与するアルドステロンの働きと類似している点も指摘されており、全身の恒常性維持に貢献する可能性が示唆されています。

フラボノイド(グラボノイド)の働き

リコリスの皮に多く含まれるフラボノイドは、ポリフェノールの一種であり、特に抗酸化作用と抗肥満作用に優れています。リコリス特有のフラボノイドはグラボノイドとも呼ばれ、女性に嬉しい多様な効果をもたらします。体内で生成される活性酸素は、ストレス、疲労、紫外線などによって増加し、細胞を酸化させることで、シミ、くすみ、老化といった肌トラブルを引き起こします。フラボノイドは、この活性酸素を強力に抑制する抗酸化作用を発揮し、肌細胞のダメージを防ぎ、肌の若々しさを保つことに貢献します。
さらに、グラボノイドの抗肥満作用に関する研究も進められています。軽度肥満の方を対象とした臨床試験では、グラボノイドの摂取が体重、BMI、内臓脂肪面積、血中コレステロールの減少に有効であることが示唆されています。具体的な作用メカニズムはまだ完全に解明されていませんが、脂肪代謝に関与し、脂肪の蓄積を抑制する可能性が考えられています。加えて、フラボノイドには血液循環を促進する作用もあり、老廃物の排出を助け、むくみの軽減や全身の代謝向上にも寄与すると期待されています。

リコリスの摂取方法と活用例

リコリスは、その多岐にわたる効果と独特の甘味を活かし、食品、ハーブティー、医薬品など、様々な形で私たちの生活に取り入れられています。ここでは、その主な活用方法をご紹介します。

食品としての利用

リコリスは、その特徴的な強い甘味から、世界中で食品の甘味料として広く利用されています。特に、ヨーロッパや北米ではリコリス菓子として親しまれており、黒いグミのような外見が特徴的です。フィンランド発祥の塩味のリコリス菓子であるサルミアッキや、アメリカ発祥の薬草飲料であるルートビアにも、甘味料としてリコリスが使用されています。日本でも、のど飴、飲料、漬物、醤油、和食の調味料など、幅広い食品に利用されています。
リコリスに含まれる甘味成分であるグリチルリチン酸は、砂糖の約150倍もの甘さを持つにもかかわらず、カロリーが低いという特徴があります。そのため、砂糖の摂取量を制限したい方や、ダイエットに取り組んでいる方にとって、リコリスは魅力的な代替甘味料となり得ます。甘いものを過剰に摂取しがちな場合は、砂糖を使ったスイーツからリコリスを使ったスイーツに置き換えることで、無理なく糖質をコントロールし、ダイエット効果を期待できるでしょう。

ハーブティーとしての利用

リコリスは、その独特な風味からハーブティーの材料としても重宝されています。リコリス単独で淹れると甘味が際立つため、他のハーブとブレンドすることで、よりバランスの取れた味わいと、多様な健康効果が期待できるお茶として楽しむことができます。例えば、胃の不調を感じる際には、炎症を鎮め、痙攣を抑制する効果があるカモミールや、胃酸の分泌を抑える効果が期待できるメドウスイート、気分をリフレッシュさせるペパーミントなどとの組み合わせがおすすめです。また、咳や痰が気になる時には、粘膜を保護する作用があるマーシュマロウとのブレンドで、喉の不快感を和らげる効果が期待できます。リコリスの甘さが、ハーブティー全体の風味を豊かにし、より飲みやすくしてくれるでしょう。

薬用としての利用

リコリスの根、つまり甘草は、昔から東洋と西洋の両方の医学において薬用として用いられてきました。特に漢方薬においては、「甘草(カンゾウ)」は欠かせない生薬の一つであり、葛根湯、甘草湯、安中散など、日本で広く使用されている漢方薬の約7割に配合されています。漢方における主な効果としては、痛みを和らげる鎮痛作用、炎症を抑える抗炎症作用、胃痛の緩和、咳を鎮め痰を取り除く鎮咳去痰作用、解毒作用などがあり、十二指腸潰瘍の治療にも用いられます。リコリス(スペイン甘草)も、ウラル甘草と同様にグリチルリチン酸を豊富に含んでいるため、医薬品や医薬部外品に広く利用されています。
リコリスは、他の成分と組み合わせて摂取することで、それぞれの効果を高め合う相乗効果を発揮するハーブとしても知られています。例として、体力が低下している方向けの葛根湯には、作用が穏やかな生薬が複数配合されていますが、甘草を加えることで相乗効果が生まれ、体の弱い方でも副作用を抑えながら鎮痛・解熱作用を得やすくなるとされています。このウラル甘草の作用は、同様の成分を含むリコリスにも当てはまると考えられ、他の生薬やハーブの有効性を引き出す「薬味調和」の役割を果たすことが期待されています。

リコリスの摂取目安量、注意点、副作用、相互作用

リコリスは、様々な健康効果をもたらす一方で、その強い作用のために、適切な摂取量を守り、副作用や他の薬との相互作用に注意することが大切です。特に、特定の疾患をお持ちの方や薬を服用中の方は、摂取に関して医師や専門家と相談することが重要です。

摂取目安量と上限摂取量

リコリスの摂取目安量や上限摂取量に関しては、以前は厚生労働省によって医薬品への最大配合量が定められていました。2017年時点では、リコリスの原生薬として1日あたり5g(エキスの場合、原生薬に換算)、リコリスの根に含まれるグリチルリチン酸として1日あたり200mgが上限とされていましたが、現在はこれらの制限は撤廃されています。しかし、リコリスに対する体の反応には個人差が大きく、臨床試験ではわずか1gの摂取で副作用が現れた例も報告されています。そのため、リコリスを摂取する際には、最初は少量から試し、体調の変化を観察しながら徐々に量を増やしていくことが推奨されます。一般的には、1日1~3g程度から始めるのが良いでしょう。
注意点として、リコリスと同様にグリチルリチン酸を含むウラル甘草は、日本で処方される一般的な漢方薬の約7割に配合されています。また、リコリスが含まれる鎮静剤、アレルギー薬、痔の薬などでは、リコリスのエキスが1g未満、またはグリチルリチン酸が40mg未満の場合、配合量が記載されないことがあります。そのため、リコリスが配合されている漢方薬や風邪薬などの医薬品と、リコリスを含むサプリメントを同時に摂取すると、意図せずにリコリスを過剰に摂取してしまう可能性があります。特に、複数の医薬品やサプリメントを併用する際には注意が必要です。

副作用のリスク:偽アルドステロン症

リコリスを長期にわたり大量に摂取すると、健康に悪影響を及ぼす懸念があります。特に注意すべきは「偽アルドステロン症」です。これは、リコリスの主成分であるグリチルリチン酸の過剰摂取が原因で発生します。グリチルリチン酸は、体内のカリウムを過剰に排出し、「低カリウム血症」を引き起こす可能性があります。カリウムは、ナトリウムのバランスを調整し、正常な血圧を維持するために不可欠なミネラルです。カリウムレベルが低下すると、ナトリウム濃度が上昇し、高血圧や浮腫などの症状が現れることがあります。
偽アルドステロン症が悪化すると、筋力低下や不整脈のリスクが高まります。さらに深刻な場合には、筋肉細胞が破壊される横紋筋融解症を引き起こすこともあります。これは、グリチルリチン酸が肝臓の機能を妨げ、ステロイドの代謝を阻害することによって生じると考えられています。グリチルリチン酸を多く含むリコリス製品を摂取する際は、個人の体質や健康状態を考慮し、注意深く判断する必要があります。サプリメントとして摂取する場合は、事前に医師や薬剤師に相談し、適切なアドバイスを受けることが重要です。

注意すべき相互作用

リコリス、または甘草エキスを摂取する際は、他の薬との相互作用によって健康上のリスクが高まる場合があります。特に、以下の種類の薬との併用は避けるべきです。

  • 利尿薬:チアジド系利尿薬やループ利尿薬など。これらの薬はカリウムの排出を促進するため、グリチルリチン酸との併用により、低カリウム血症のリスクが大幅に上昇します。
  • 抗アルドステロン薬:スピロノラクトンやエプレレノンなど。偽アルドステロン症を発症する可能性が高まります。
  • 強心薬:ジゴキシンなどのジギタリス製剤。低カリウム血症は、ジギタリス中毒に対する感受性を高め、不整脈などの深刻な副作用を引き起こす可能性があります。
  • ステロイド薬:副腎皮質ステロイドなど。グリチルリチン酸はステロイドの代謝を阻害し、ステロイドの効果を増強させる可能性があるため、副作用が強く現れる恐れがあります。

これらの薬剤と甘草エキスを同時に摂取すると、偽アルドステロン症(高血圧、むくみ)、筋力低下を伴うミオパチー、重度の低カリウム血症などの副作用が発生する危険性が高まります。さらに、すでにアルドステロン症、ミオパチー、低カリウム血症と診断されている場合は、甘草エキスの摂取によって症状が悪化するリスクが非常に高いため、摂取は避けるべきです。妊娠中や授乳中の方、既存の疾患をお持ちの方、または他の薬を服用している方は、リコリスの摂取を開始する前に必ず医師または薬剤師に相談し、安全性を確認してください。

まとめ

リコリスは、マメ科カンゾウ属の植物で、別名スペインカンゾウとも呼ばれています。根に含まれるグリチルリチン酸は、砂糖の約150倍の甘さがあり、抗炎症作用、抗アレルギー作用、抗ウイルス作用を持つことが知られています。そのため、じんましん、アトピー性皮膚炎、関節炎などの炎症性疾患や、風邪の諸症状、花粉症などのアレルギー反応の緩和に役立つ可能性があります。また、胃粘膜を保護する作用があり、胃炎や胃潰瘍の不快感緩和をサポートし、副腎皮質の機能を助けることで、ストレス軽減効果も期待できます。
さらに、リコリスに含まれるフラボノイド(グラブリジン)は、抗酸化作用によって美白効果や美肌効果をもたらし、体脂肪を減少させる効果も示唆されています。低カロリーでありながら強い甘味を持つため、ダイエット中の甘味料としても利用できます。古くからエジプト、中国、ギリシャ・ローマ、日本などで薬として珍重され、現代でも漢方薬、医薬品、サプリメント、食品など、幅広い用途で使用されています。
ただし、リコリスの摂取には注意が必要です。過剰摂取は偽アルドステロン症を引き起こし、血圧上昇、むくみ、低カリウム血症などの副作用を引き起こす可能性があります。特定の薬との併用や、アルドステロン症などの病歴がある場合は、摂取が禁忌となるため、必ず医師や薬剤師に相談してください。リコリスは健康に役立つ可能性を秘めた植物ですが、特性を理解し、適切な摂取量を守ることが大切です。ご自身の体質や健康状態に合わせて、専門家への相談もご検討ください。


リコリスと甘草は同じものですか?

リコリスは「スペインカンゾウ」とも呼ばれ、甘草の一種ですが、主に東アジアで漢方薬に使われる「ウラルカンゾウ」とは厳密には異なります。両方ともマメ科カンゾウ属に属し、主成分としてグリチルリチン酸を含みますが、植物学的な特徴(茎の長さなど)、グリチルリチン酸の濃度、漢方薬としての利用の歴史などに違いがあります。

リコリスに危険な副作用はありますか?

長期にわたり大量のリコリスを摂取すると、偽アルドステロン症と呼ばれる状態を引き起こすリスクがあります。これは、体内のカリウムバランスが崩れ、高血圧、むくみ、そして低カリウム血症などの症状が現れるものです。重篤な場合には、筋力の低下、不整脈、さらには横紋筋融解症といった深刻な問題に発展する可能性もあるため、摂取量には細心の注意を払う必要があります。

リコリスは1日にどれくらい摂取して良いですか?

リコリスに対する適切な摂取量は、個々の体質によって大きく異なります。以前は医薬品としての最大配合量が定められていましたが(グリチルリチン酸として200mg/日、リコリスの生薬として5g/日)、現在ではこの基準は廃止されています。そのため、摂取を始める際はごく少量(例えば1g程度)から試し、体調の変化を注意深く観察しながら徐々に量を調整していくことが推奨されます。他のサプリメントや漢方薬などからも甘草由来の成分を摂取している場合は、過剰摂取にならないように特に注意し、医師や薬剤師に相談することが大切です。

リコリスはどんな病気に効果がありますか?

リコリスは、その優れた抗炎症作用と抗アレルギー作用により、じんましん、湿疹、アトピー性皮膚炎、関節炎、気管支炎、花粉症、そして風邪の諸症状などの緩和に役立つとされています。さらに、胃粘膜を保護する作用があるため、胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍といった消化器系の不調の改善にも期待できます。その他にも、ストレスの軽減、美白効果、美肌効果、体脂肪の減少、肝機能の改善、生活習慣病の予防など、様々な効果が研究によって示唆されています。

リコリスはダイエットに効果がありますか?

はい、リコリスに含まれるフラボノイドの一種であるグラボノイドには、体脂肪を減少させる効果があることが臨床試験によって確認されています。また、リコリスはその甘さが砂糖の50倍から150倍にも及ぶ一方で、低カロリーであるという特徴を持っています。そのため、砂糖の代替甘味料として利用することで、カロリー摂取量を抑え、ダイエットをサポートする効果が期待できます。

妊娠中・授乳期におけるリコリスの摂取について

妊娠中や授乳期間中のリコリスの摂取は、安全性の観点から積極的には推奨されていません。その理由として、リコリスに含まれるグリチルリチンという成分が、ホルモンのような働きを持つことが挙げられます。この成分を過剰に摂取すると、血圧が上昇するなどの好ましくない影響が出る可能性があり、お母様だけでなく、お腹の中の赤ちゃんや母乳を介して乳児にも影響を及ぼす懸念があるためです。摂取を検討される場合は、事前に必ず医師にご相談ください。

漢方薬の成分としてのリコリス

日本の漢方薬において、約7割に使用されている甘草という生薬は、主に「ウラル甘草」と呼ばれる種類です。リコリス(スペイン甘草)も甘草の一種であり、同様にグリチルリチンを豊富に含んでいますが、伝統的な漢方処方においては、ウラル甘草が用いられてきました。ただし、リコリスも医薬品や医薬部外品、健康食品などの原料として広く活用されています。


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